新着論文紹介

Detection of early phase human T-cell leukemia virus type 1 and 2 infection with an improved confirmatory test.

改良された確認検査によるヒトT細胞白血病ウイルス1型および2型感染の早期検出

ジャーナル:Journal of Clinical Virology
著者: Yasuko Sagara, Hitomi Nakamura, Masahiro Satake, et al.
責任著者:Japanese Red Cross Kyushu Block Blood Center
https://doi.org/10.1016/j.jcv.2023.105598

要約・インパクト

HTLV-1の流行地域である九州地方の献血者759,259人のうち、101人がライン免疫測定検査(LIA)で不確定と分類された。これらに対し、HTLV感染の早期段階を検出するため、代替の二次抗体として抗ヒトIg(IgG/IgM/IgA)抗体および抗IgM抗体を用いて検査を行った。その結果、抗ヒトIgおよび抗IgM抗体を用いた場合、37名(HTLV-1陽性2名、HTLV-1陽性27名、HTLV-1陰性8名)でHTLV感染状態が確認された。残りの64名のうち、HTLV-2感染が1名(18歳女性)確認された。この女性の前回献血時検査結果は抗HTLVスクリーニング検査が陰性(S/CO値0.1)であったことから、この症例はHTLV-2陽転化症例と判断された。これらのことより、HTLV感染症の診断手順を見直す必要があること、そしてHTLV感染症の早期段階における正確な検出システムが日本の公衆衛生上緊急に必要であることが示唆される。さらに、HTLV-2感染症の問題は、日本においてより一層の認識を深める必要がある。

新着論文紹介一覧に戻る

Page Top