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Treatment and survival among 1594 patients with ATL.
2000年以降に診断されたATL患者の治療実態と予後

ジャーナル:Blood (2015)
著者:Katsuya H, et al.
所属: 福岡大学 腫瘍・血液・感染症内科 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26361794

要約

1991年にATLの4つの臨床病型が提唱されて以降、多剤併用化学療法や同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)などの新たな治療法が開発され、日常臨床として実施されている。本研究は、2000年から2009年に診断されたATL患者を対象にATLの予後因子を作成することを目的に実施したATL-PI projectで収集した情報をもとに、ATL治療の実態や予後を明らかにしたものである。全国84施設より1665例の臨床データを集積した。対象外となった71例を除いた、急性型895例、リンパ腫型355例、慢性型187例、くすぶり型157例を用いて解析を行った。生存期間中央値(MST)は急性型で8.3か月、リンパ腫型10.6か月、慢性型31.5か月、くすぶり型55.0か月、4年生存率はそれぞれ11%、16%、36%、52%であった。急性型とリンパ腫型のうち227例でallo-HSCTを受け、移植後のMSTと4年生存率は5.9か月と26%であった。そのうち初回寛解時に行われていたのは117例で、MSTは22か月と有意に生存期間延長を認めた。
1991年の報告と比較すると、急性・リンパ腫型のMSTでは著変はみられなかったが、4年生存率に関しては改善傾向にあった。多剤併用化学療法やallo-HSCTを受けることができた患者においては、生存期間の延長が確認された。一方でくすぶり型の予後は以前よりも不良であり、患者背景の比較でもその原因は明らかではなかった。

インパクト

本研究は過去に報告されたATL調査の中では最大規模の1665例の臨床データを集積し、治療の現状と予後について解析を行った。急性・リンパ腫型ATLでは227例でallo-HSCTが行われ、後方視的研究であり治療選択バイアスを十分に考慮する必要があるが、本研究の結果はATLに対する同種移植治療の位置づけを示す一つの指標となる。慢性・くすぶり型ATLでは、多様な経過を示すことが改めて明確に示され、新たな治療層別化因子の開発が必要であることがわかった。

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