新着論文紹介

Live attenuated VZV vaccination induces antitumor immunity in ATLL patients

ATLL患者における弱毒化VZVワクチン接種による抗腫瘍免疫の誘導

ジャーナル:Cancer Immunology, Immunotherapy
著者:Tatsuro Jo, Ritsuko Kubota-Koketsu, Youhei Kaneko, et al.
責任著者:Department of Hematology, Japanese Red Cross Nagasaki Genbaku Hospital
https://doi.org/10.1007/s00262-022-03301-6

要約・インパクト

ATLL患者が長期生存を得るためにはHTLV-1 Tax特異的CTLなどの細胞性免疫の活性化が重要である。しかし、ATLL特異的細胞性免疫を活性化する有効な方法はない。我々はヘルペス感染症後、Tax特異的CTLが活性化され長期生存しているアグレッシブタイプ患者(T Jo, et al, Cancer Med, 2022)より着想し、ATLL患者において弱毒化水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)ワクチン接種がHTLV-1 Tax特異的CTLを活性化できるか検討した。
アグレッシブタイプの患者はモガムリズマブ併用化学療法終了後に、インドレントタイプの患者は抗腫瘍治療を受けずにVZVワクチン接種を受けた。
VZVワクチン接種後,インドレントタイプ3例中1例で中程度,アグレッシブタイプ3例全てで明らかなTax特異的CTLの増加が観察された。有害事象は特に認められなかった。
モガムリズマブによる制御性Tリンパ球数の減少がアグレッシブタイプ患者における腫瘍免疫の亢進に寄与した可能性があると同時に、インドレントタイプ患者に対してモガムリズマブ治療後、VZVワクチン接種を行うとTax特異的CTLがより活性化される可能性が推測された。

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