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Incidence of human T-lymphotropic virus 1 infection in adolescent and adult blood donors in Japan: a nationwide retrospective cohort analysis.
日本の青年期・成人献血者における新規HTLV-1感染の実態

ジャーナル:Lancet Infectious Disease 2016 Nov;16(11):1246-1254. doi: 10.1016/S1473-3099(16)30252-3. PMID:27567105
著者: Satake M, Iwanaga M, Sagara Y, Watanabe T, Okuma K, Hamaguchi I.
所属: 日本赤十字社, 長崎大学, 東京大学, 国立感染症研究所
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27567105

要約

日本におけるHTLV-1の感染経路として乳児期の母乳を介する母子感染がよく知られているが、青年期以降の新規HTLV-1感染(水平感染)の実態については情報が乏しかった。本研究では、日本全体における青年期以降の年間あたりのHTLV-1新規感染者を推定する事を目的として、日本赤十字社の献血者を対象とした後方視的コホート解析を行った。複数回献血者のうち、2005年〜2006年の時点でHTLV-1抗体検査が陰性だった約300万人の集団を2011年まで追跡し、追跡期間中に陽性に転じた者の割合を10万人年あたりの陽転化割合として7区域別(北海道・東北・関東・中部/東海・近畿・中国/四国・九州/沖縄)に算出、その割合を人口動態統計に外挿した。その結果、日本の献血可能年齢人口(16歳〜69歳)全体で年間4,190人(男性975人、女性3,215人)が新たにHTLV-1に感染していると推定された。新規感染者数は、男女とも年齢が高くなるに従い多くなり、女性は50歳代が最多、男性は60歳代が最多であった。20歳代男性の新規感染者数は、HTLV-1感染者が多い九州/沖縄地区よりも大都市圏で多い傾向にあった。

インパクト

本研究の成果により、日本では年間約4000人の青年期以降の新規HTLV-1感染(水平感染)が存在し、うち77%は女性であることが判明した。HTLV-1感染者が多い九州/沖縄地区のみならず、大都市圏でも無視できない新規HTLV-1感染の存在が明らかとなり、乳児期の母子感染防止対策のみならず、青年期以降の水平感染防止対策についても全国的な取り組みが期待される。

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