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CCR4 frameshift mutation identifies a distinct group of adult T cell leukaemia/lymphoma with poor prognosis.
ATLLにおけるCCR4変異に基づく臨床病理解析

ジャーナル:The Journal of Pathology (2016)
著者 Yoshida N, et al.
所属 久留米大学医学部 病理学講座
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26847489

要約

ATLLはHTLV-1に起因するT細胞性腫瘍である。その特徴の一つとして細胞表面上のCCR4発現が挙げられ、CCR4に対する分子標的治療も実施されている。近年の網羅的ゲノム異常解析により、そのCCR4の活性化型変異がATLLで生じていることが明らかとなった。本研究では、CCR4変異に基づくATLLの臨床病理学的解析を実施した。解析したATLL症例のうち27%でCCR4変異が認められた。これら変異はナンセンス変異(NS)とフレームシフト変異(FS)であった。変異の有無により臨床病理学的所見に明らかな差異は認められなかったが、CCR4変異を有する症例はいずれもCCR4陽性であった。変異の種類ごとに臨床病理学的所見を比較すると、NS症例でCCR4が有意に高発現であること、またFS症例が有意に予後不良であることが明らかとなった。本研究は、CCR4変異がATLLの臨床病態を決定する重要な因子の一つである可能性、またその変異の種類により異なる病態を呈する可能性を示唆するものである。

インパクト

CCR4変異、特にその変異の種類によりATLLの臨床病態が異なることが見出された。今回の解析ではCCR4変異症例に対する抗CCR4抗体の効果に関する解析が実施できておらず、今後の課題と考えている。その解析の際にも変異の有無だけでなく、変異の種類を考慮する必要性が本研究から示唆される。このような解析を集積することにより、ATLLにおける治療層別化因子が同定されると考えられる。

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